防虫対策について

■防虫の歴史と対策

虫との戦い

 私たち人類は、刺したり、噛みついたり、血を吸ったり、あるいはまた、製品に付着したり、危険な病気を移したりする、いやな毒虫たちに対抗する自衛の手段、すなわち、さまざまな防除法をいろいろと考えてきました。

 ノミやシラミをひねりつぶしたり、「ハエたたき」でうるさいハエをたたいたりしてきました。一口に昆虫といっても、現在種名が明らかなものだけでも90万種、しかも年々2,000種以上の新種が学会に報告され、全動物種数の3/4~4/5を占めるといわれています。

 昆虫は、人類とのかかわりあいより大別すると

1. 益虫:カイコ、ミツバチのような有用虫、クモのような害虫を捕食してくれる捕食虫
2. 害虫、ハエ類、シロアリ類
3. 直接には人類に利害関係がないもの

三つにわけられます。害虫によって起こされる損害を防ぐため、人類は虫と戦って来ました。科学の発達していない時代には害虫による被害を回避するために、まじないや祈りをする事がありました。その後除虫菊の渡来により戦況は化学戦争へと移っていきます。まず除虫菊を製粉してノミ取り粉とし、この粉を誤って畳にこぼし、煙草盆に放りこんだところ、煙が立ち上り飛んで来た蚊が次々落下したことから、蚊取り線香が誕生したといわれています。

除虫菊-油剤-DDT-BHC

 と人類は、次々に殺虫兵器を開発してきました。しかし昆虫の方でもそのつど抵抗力の強いものが生き残って繁殖しつづけています。
人類と虫との戦いで、人間が勝利を治められるのには、まだ時間がかかるように思われます。

防除対策

害虫防除とは、害虫発生の予防駆除のことです。
  予防は、発生の抑制および被害の回避であり
  駆除は、発生後における殺虫処理を意味します。

具体的な害虫防除法は、大別すると次の4種になります。

1. 化学的防除:化学薬品(殺虫剤)を使用

2. 機械・物理的防除:光線、音波、熱線、高圧電流等で害虫を誘引、忌避、抑圧攪乱する
(誘蛾灯、可視光線、電気殺虫機)

3. 耕種的防除:作物の栽培法、品種改良で害虫の定着、増殖を抑制

4. 生物的防除:天敵(害虫の死亡要因となる生物)利用

害虫防除法の分類およびその主要例

目的/方法 化学的防除 機械的・
物理的防除
耕種的防除 生物的防除
駆除 発生した害虫を
対象とする殺虫
殺虫剤散布
誘引剤による
大量捕殺
捕殺・
灯火誘殺・
加熱
--- 生物農薬
予防 発生の抑制 耐虫性の付与
交尾阻害
不妊化処理 発生環境の改変・
耐虫性品種の利用
天敵利用
被害回避 忌避剤の利用 遮断マルチ・
照明
栽培時期の調節 ---

予防と駆除は、人間の病気に例えると衛生と治療のような関係にあり、両者の調整には絶えず注意をはらわねばなりません。防虫対策も同様で予防し発生する害虫にたいする駆除の両方を行う必要があります。

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■防虫対策システムについて

虫が室内へ侵入する理由

換気とは、自然又は機械的手段により室内の空気と外気を入れ替る事であり、その目的は以下があげられます。

  1. 在室者の健康、快適さ、作業能率を保持する。
  2. 酸素の供給
  3. 熱の除去
  4. 水蒸気の除去
  5. 有害ガスの除去

もし、給気・排気の風量バランスがとれていない場合や、給気を外壁ガラリからの自然給気で行っている場合は、室内が負圧となり、大量の空気が外部の出入り口や、建物の隙間から入り込みます。この空気といっしょに虫が室内へ侵入、製品への混入をひきおこします。

では防虫対策の手順は?

  1. 工場内は、第1種換気(機械による給排気)とし、給気風量と排気風量のバランスをとり外気に対して陽圧にする。
  2. 外壁および室内の仕上材は、気密構造となる様すき間をなくする。
  3. 作業室内に供給する空気は、必ず清淨度に応じた性能を有するフィルターを通過させる。
  4. 屋外からの物、人の出入り口には前室を設け、前後の扉は同時開放しない。空気の流れはいつも、室内から前室へ、前室から屋外へ、となるよう風量バランスを設定する。
  5. 発生する虫にたいしては、駆除をおこなう必要があります。

虫は、風を感じると敵が襲ってきたと思い、風下へ逃げる習性があります。つねに空気の流れが、建物⇒外部となるように風量を算定し、室内の陽圧化を計り、防虫対策をおこないます。

導入するシステム

工場内を陽圧にすることで、外向きの気流を作り、虫の飛来・侵入を防ぎます

では実際にはどんなシステムが導入されているのかを図でご紹介します。
下記「装置フロー図」の装置部分()をクリックすると実際に導入された写真と解説を見ることができます。このシステムは『実用新案登録』です。

徹差圧ダンパー ダクトと吹出口 空調機 前室 フィルターボックス 外気取り入れ口

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■防虫対策施工例

■場所:岐阜県

■建物:製紙工場 鉄骨造2階(既設建物)

■建物規模:
 1階床面積 1,850平方メートル
 2階床面積 920平方メートル

工事概要

既設製紙工場1階、2階(一部)の防虫対策換気設備工事

●1階部分

空気調和機及び送風機により外気をダクトにて室内に給気、陽圧化を計りました。余剰空気は微圧ダンパーで外部に排気。
※空気調和機は、将来蒸気による暖房が可能になるよう蒸気コイルが組み込まれています。

●2階部分

送風機より、外気をダクトにて室内に給気して陽圧化を計りました。余剰空気は微圧ダンパーで外気に排気。

1、2階それぞれ外気取り入れ部分には、フィルターユニットを取り付けています。

1階外気給気量:54,400立方メートル/h
2階外気給気量:5,000立方メートル/h

効果

陽圧化完了後、侵入昆虫数が著しく減少しました。
施工前捕獲数4130匹が工事後324匹(減少率92.15%<お客様提供データ結果より>)に減少しました。

使用機器

空気調和機:1台
送風機:2台
微圧ダンパー:20台
フィルターユニット:3台

工事費

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